飛騨牛食い倒れの旅

2003.8.14

雨。
太平洋上に停滞した前線の影響で全国的に朝から雨。
夏の甲子園も今日は中止。
「明日は雨。」
そんな情報を前日から仕入れていた僕は、なんか気分も乗ってこない。

ガソリンランプ点灯。
僕の作戦通り。
すぐそこのガソリンスタンドで補給するのだ。

雨が激しい。
真っ白の世界。

高速道路も降っていた。
なんかスリップするような感覚があるのは、当然のことなのかな。

高速道路では常に安全運転。
でもチョット気を抜くと思いがけないスピードが出る。

ずっと前から予定していた飛騨高山行き。
飛騨牛食い倒れの旅。
気分が滅入ったままで、「行ったら楽しいのだろうけど、なんかなー」でスッキリしない。
前日、友人と連絡を取り合った。
遠出する前日にも拘らず、相変わらず酒に浸る友人。
僕は、ますます滅入る。

目が覚めたのは8時過ぎ。
出かけるとしたら、8時前と思っていた。
またしても、気分が滅入る。
しかも強い雨音。
「こんな天気で出かけるの?」
再び布団の中で丸くなる。
そういえば、どうして突然目が覚めたんだろう?
枕元にあったケータイを見る。
メールが入ったばかりになっている。。。
どうやら、メールの着信音で目が覚めたらしい。
友人からの催促のメール。
「マジで、どうする?今日の気分で決めてくれ」
迷ってた。
前日、相談する前と気分は変わらない。
「行けばきっと楽しいと思う。」
けど、雨の中を強行するほどの事なのか。。。。。。行く事に決めた。
11時に富山市アピタ集合。
只今の時刻、 8時半。
9時に出れば間に合うかな。
相変わらず雨がスゴイ。
そしてガソリンが無い。
この日のことを見越して、ガソリンはギリギリまで補給していない。
行く途中に入れていけば、以前のように燃料切れで焦ることもない。
ケータイの充電もバッチリ。
カメラ君たちの充電もカンペキ。
あとは、富山へ向けて走るだけ。
国道296を日本海へ向かって走る。
なるべく高速道路は使わない。
途中で金欠になるわけには行かない。
が、それがまずかった。
ヘンなところでケチると良いことは無い。
渋滞にハマッた。
妙に遅い車たちがたくさん。
なんでそんなにユックリ走れるの?
この人達には目的が無いの?
追い討ちをかけるように、高速道路では交通事故で通行止めの区間が出る。
それにハジかれた車たちも入り混じって、どこを通ればイイものか。。。
10時20分、予定していた時間より20分遅れで上越ICから富山方面へ。
これは確実に遅刻の予感。
早めに手を打っとかねば。
友人へケータイ連絡。
たとえ遅れることになっても、事前に連絡しとけば気持ちの準備もしておくだろうな。
そんな風に思いつつ返答を受信すると、向こうでも渋滞に巻き込まれたとの事。
もしかしたら、遅刻の予感が漂う僕の方が早く富山についてしまうかも。。。
雨が降る北陸道をひたすら西へ。
富山ICは、思いのほか混んでいた。
この車たちはどこへ行くんだろう?
「もしかして僕と同じ高山へ?」
「こんなにたくさん来たら、人ゴミだらけになってイヤだな。」
そんなことを思いつつ、列に加わったぷれいと車の後ろにイヤな気配を感じる。
黒いワゴン。
見覚えのあるその形は、友人の車。
相変わらずニヤついてた。
料金所前の軽い渋滞に巻き込まれつつ、ケータイで簡単な打合せ。
上越ICから3150円の高速料金をオジサンに渡し、そこから500メートルも離れていないアピタへ。
前回同様、友人の怪しい車にて高山市へ。
そういえば、高山とくれば"えみっくす"。
ココで通例どおり、連絡だけはしといた。
それはお決まりなのだ。
たまぁにしか連絡を取らないので、何気に楽しみだったりもする。

運転中にケータイ電話はやめましょう。

鼻からミルクティーを出す、珍しい人種。

中華そばの看板の前で一人たたずむ。

道路は車も少なく、空いていた。
さすがに雨のお盆中日。
こんな日に遠くへ出かける物好きは少ないだろうな。
ましてや飛騨高山という山の中。
スカスカの広い道は気持ちが良い。
天気は悪いけど、予定より少し早く着く予感。
とってもラッキー。
そして、お話し相手のいるドライブは楽しい。
普段、一人で運転している事が多い僕には、助手席のオシャベリは新鮮で楽しい。
最近チョットお気に入りのaikoを聞いて、所さんを聞いて。
僕を乗せた友人車は飛騨高山へ入った。

古い町並みに傘の花が咲く。

高山も相変わらず降っている。そして、ミルクティーをゴクゴクする友人。
僕はサントリーウーロンを抱えてニコニコ。
中止にしなくて良かったかも。
まだ目的地に着いただけ。
それだけでも相当に楽しい。
飛騨高山という場所が、いつの間にか楽しい場所になっていた。
チョットした思い出の街になっているかも。
見覚えのあるいろんな場所をキョロキョロする。
その隙にも、鼻からミルクティーを噴射する友人。
ハンドルもオーディオも甘い薄茶色に染まる。
あのハンドルは、今後、友人以外の人が握る事は無いだろう。
そうこうしつつ、駐車場を求めてさまよう。
きっと、いつもの花岡駐車場が最適。
市役所敷地内の安心スポット。
仕事以上の時給をもらっていそうなオジサンがたたずむ。
それでもきっと、花岡駐車場が一番。
どんなに街から少し遠くても。
花岡駐車場でないと雰囲気が無い。
車を降りて、昨日買ったばかりのでかいカメラ君専用のバッグを腰に。
雨が降ってかなり濡れる予感だけど、防水スプレーもしたし。
飛騨牛に向けて突進する準備は万端だった。



安川通り沿いのラーメン屋さん「蔵や」。
飛騨高山といえば、ラーメンも結構有名らしい。
そんなことを知らないから、串焼きにしか惹かれない。
でもココのお店。
午後2時には"仕度中"。
そして"本日の営業は終了しました"になる。
かるく覗いた店内の雰囲気から、「チョット美味そう」と思わせる。
飛騨牛串焼きは1本300円。
高校生くらいのオネーサンが玄関横にある小窓から顔を出して焼いてくれる。
小皿に乗せて出される串焼きは今回の中でも上位に位置する。





本町通り、高山陣屋近く、豆腐の古川屋さんの隣に立つ「たこいち」。
本来はソフトクリームやたこ焼きを売る店だったっぽい。
看板も店の雰囲気もそれらしいが、なぜか串焼きを売る。
焼き具合は、牛肉だけにミディアムレアに近い。
味の濃いタレがかかって、中から赤身が顔を出す。
こんがりが好きな僕には少し頂けないが、好みによってはイケるかも。



本町通り、高級履物店の「あづまや」。
靴屋さんの店先で何故か串焼きを焼いている。
店内には机とイスが置かれ、そこでくつろぎながら味を楽しめる。
ちょうどこのときも、店内で一服しているオネーサン達が何人か。
店自体も、本来の履物より串焼きをメインに売っているような雰囲気になってしまっている。
きっ と、串焼きで客を惹きつけ、あわよくば靴を買ってもらおうという作戦だろうと思う。
観光地の中心部での商売の難しさと、そこで柔軟に商売をするワザを見た気分。
そして、焼き場に立つ、店主と思われる大柄の女性。
推定体重90kgは、きっと串焼き以上にこの店の名物になのだろう。
肝心の串焼きはタレがかかった、中心にネギを挟んだもの。
ネギを入れたものは今回の中ではココの店だけだった。
他の店との差をつける意味でも、ポイントは高い。
そしてシッカリと焼かれた焦げ具合も、好みの人は多いだろうと思う。



本来ラーメン屋さんだと思われる。
ただし、ご主人が串焼きを専門に焼いているような雰囲気。
不覚にも店の名前を記録する事が出来なかった。
焼いているのは、他店と少し違った平たい肉。
塩コショウが効いた少し濃い味付けに、レモン汁が少しかかっている。
これまで歩き回って肉ばかりを口にしていた一行には、同じ串焼きでも少し違った印象を与えてくれた。
上二之町、「パーキングみたか」の前に建っている。
僕の一番のオススメはココ。



元祖串焼きを自称する「じゅげむ」
数々の有名人が訪れているらしく、店内には北野武や松坂大輔と一緒に写った店主の写真が飾られている。
本来は土産物屋なので、串焼きは店先の一角に設けられたカウンターで焼かれている。
随時、20本ほどの串焼きが炭の上に並べられ、店主が注文と同時にその中から焼けた肉を投げるように客に渡す。
その客回りの良さには惹かれるものがあるが、清潔感に欠ける。
肉はタレで焼かれた濃い味付けのもの。
少々焦げており、味としては並ぶほどではないと思われる。
ただ、古い町並みの中心に位置しているため、観光の一つとして立ち寄るのであれば問題は無い。
決して味を求めてはいけない店であると感じられる。



観光地街から外れた路地裏に建つ肉屋さん。
偶然の発見だったため、店名を確認していないが、写真に写る看板が店の名前と思われる。
完全に肉屋さんのため、本来の業務が優先。
客がいなければカウンターに立つことも無く、客引きをする事も無い。
注文数に応じて事務的に手渡される串焼きは、タレで焼かれたもの。
スジがあり、少し堅い。
値段が200円なので、安めだが、立ち寄って食べるほどのものではない。
そして以前に焼いておいたものをチョットだけ温めて出すというチャレンジャーでもある。
その温かさがまばらであり、冷たいところもあることが、さらにチャレンジ精神を感じさせる。



前回に立ち寄った肉屋さん「(有)山武商店」。
3本500円の微妙な値段。
店内は高級なものから一般的なものまで、さまざまな肉を揃えているらしく、清潔感もある。
ただし、焼き専門のオジサンはタバコを加えているツワモノ。
スジと焦げて堅くなってしまった串焼きは、好みが大きく分かれる可能性が高い。
おそらく、シッカリとした肉を食べたければ裏の店で食べろという事だろう。
店の裏には大きなビルと、飛騨牛の看板が出ている。

今回の高山行きで一つ学んだ事。
「晴れた日に行こう」
飛騨牛から学んだ事。
「肉屋さんで串焼きを食べない方が良」
そして、高山を去った時、去年の8月16日に初めて串焼きを食べた、あの店に立ち寄る事を忘れていたことを思い出した。
口の中も、その周りもアブラっぽかった


道の駅古川。
去年と同じ白桃ソフト。

3時間近く歩き回って、串焼きばかりを食べていたせいか、かなり胃がもたれる。
そうか、肉ばかりを食べているとこういうことになるのか。
これから家路に就くというところだけど、決して名残惜しくない。
はやくこのアブラギッシュな状態から逃れたい。
そんな気持ちで目指すは、道の駅古川。
NHK朝の連続ドラマの舞台になった古川町。
そこに建つ道の駅でソフトクリームを食べるのだ。
飛騨桃が使われているっぽいソフトクリームで、アブラギッシュにサヨナラしたかった。
けど、それは考えが甘かった。
妙に甘い桃ソフト。
その甘さがかえって気持ち悪い。
さっそくサントリーウーロンに助けを求める。
アブラギッシュが去って桃の甘さがやってきた。
ウーロンの苦味がいつにも増して感じられる。
これは結構ハードかも。
それでも僕の忘れっぽさと回復力で持ち直し、目的を遂行した達成感に浸る。
富山へ向かう車の中、久しぶりの昔話と今のお話。
これから先のお話も、たくさん話した。
まだ足りないような気分がしていたが、富山のアピタに着いて、それは終わった。
チョット楽しかったな。
行くのを渋っていたけど楽しめた。
次回の予定は無いけど、またどこかへ行きたい。
そんな飛騨牛の旅だった。

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