赤い空の虹
気がつかずにいた。
発見したときの声で知った。
二重にかかる虹と、赤い空に立つ1本の虹。
景色を見るときは、お気に入りの風景を見るときは、どんなに退屈でも誰かといるよりも1人で見るべきだと思っていた。
色の鮮やかさや空気の冷たさは、1人のときが一番感じられる。
そう信じていた。
虹を見つけたとき。
それを見ているとき。
空が暗くなっていったとき。
そこにいるテンションを知ったとき、同じものを見られる嬉しさを知った。
できることならば、傷みや時間をもっともっと長く柔らかなものにしてあげたいと願う。