高い乗り物に。

あれに乗る機会があるなんて思ってもみなかった。

夜の街に光る丸い灯り。
リズミカルに光るあの乗り物。
いつも遠くから、下から見上げて、ちょっと興味津々で、でも少し恐くって。
乗ってみたいような気もするけれど、それはこれ以上ないほどの恐いもの見たさで。

あの一言でついに乗ることになった。
乗ることは何とも無い。
揺れることも。
狭いところに入っていることも。
ただ、目がくらむほどに高い場所にいることが、なんだかムズムズするだけ。
この高さまできたら、もうどうにもならないこともわかっている。
だけれど、このボルトが外れたら、この球体は柱を伝ってどんな風に転がっていくんだろう?と。

なんでこんなに下を見たくなるんだろう?
見たいものを見ているのに、どうしてこんなにムズムズなんだろう?

遠くに見える夜景を、なんとか収めたくて、一生懸命ガラスにしがみつき、カメラを固定して写真を撮った。
ゆっくりと回転するゴンドラは、夜景を撮るには早すぎて、結局、夜景は目で楽しむしかなかった。

そんなキレイな時間を、ムズムズしたまま。