男湯の衝撃
また来るとも思っていなかった温泉へ行く機会ができて。
とても楽しみにしていたのだけど。
なぜか人気もない様子なので、できればひとりじめの時間にしたくて。
それでも人がいるなら仕方が無いと、準備を整えて風呂場へ。
また来ることができて良かったと、手桶を持って掛け湯をして。
誰かが入ってきた物音に、先客が声をあげて、それを聞いて気が付いた。
先に温泉に入っている先客は、真っ白な頭のオバサンだった。
慌てて入口を確認したけれど、そこには男湯の文字。
あの人が間違えている。
ということを、あの人に伝えるまで、お互いに慌てて意志が通じない。
まさかの間違いに遭遇して、ゆったり気分は消えた。