時間が来るのをじっと待つ。
たとえ5時間でも10時間でも、気にならない。
たったそれだけの時間を待てば良いだけのこと。

ただ思って待ちながら流れる時間があの街にある。
ようやく訪れた時間が貴重だと思うと、その場所も貴重だと思える。

なんでもない普通の街が、待ち遠しい時間を過ごすだけで、気がつくととても大好きな街になっていた。

いつか通ったはずの道。
待っている中で知った街。
ようやく訪れた時間の中で、知らない街と新しい道。

好きな時間を過ごす場所は、好きな場所に変わっていた。

街
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